猫のごはんはドライフードとウエットフード、どちらが良いのでしょうか?
検証してみました。
うちの猫の場合(キクさんの場合)
キクさんは初めて飼った猫なので、飼い主の私自身、猫に対する知識がまるでなく、本を読んだりネットを流し読みして試行錯誤育てた記憶があります。
中でも後悔しているのが「猫のごはん」の事です。
当時見た本やネットの情報では、とにかく
「プレミアムのドライフードを食べさせましょう」
「ドライフードの方が歯垢が付きにくくて良い」
と書いてあった気がします。
(今もでしょうか?)
ドライフードは食べることで歯石の蓄積を軽減する効果も期待できるので、ウエットよりドライフードが良い、とも書いてありました。
ウエットは、歯にこびり付いて、歯石になり、やがて歯槽膿漏に。。。
というような内容です。
拾った当時500gしかない子猫だったキクさんは、最初は何でも食べました。
魚肉ソーセージも食べるし、飼い主が食べているアジのほぐしたのが乗っているお弁当も欲しがるし、パンを食べていても欲しがりました。
しかし、
「人間の食べ物は毒!」
との教えのもと、私は全く人間の食べ物をあげることはありませんでした。
すると、そのうちキクさんは人間の食べ物に一切興味を示さなくなりました。
テーブルの上に出ているごはんも、おかしも、出しっぱなしでも全く食べません。
良い子、良い子。
と思っていました。
でも、私は勘違いしていたのですね。
人間の食べ物は毒かもしれないけれど、ウエットフードは猫に良くないという訳ではないということを。
そして、今では、キクさんはドライフードと、フリーズドライのササミ、鰹節以外一切食べない猫になってしまいました。
ウエットフードのニオイを嗅がせたら、人間が臭い物を匂った時に「オエー」とするのと同じ表情をした時には、ホントにびっくりしました。
そこまで嫌いか。。。と。
テレビで「ちゅ〜る」を夢中で食べている猫は、まるで別の生き物、ぐらいに思っていました。
ちなみに、オシッコも1日1回しかしませんでした。
それが普通だと思っていたのですが、2匹目の猫ウメさんが来て、あまりにもジャージャーと1日2〜3回はオシッコをするので、何故こんなに違うんだろう?・・・と初めて気が付いたのです。
生粋の乾き物好きの猫に育ってしまったキクさんですが、慢性腎不全になるまで飼い主は何の危機感も抱いていませんでした。
★キクさんの好きな食べ物
・「ロイヤルカナン」全般
(ほぼ全種類のプレミアムフードを試しましたが、何故か最終ロイヤルカナンしか食べなくなりました)
・「ママクック」のフリーズドライササミ
・猫用かつおぶし
うちの猫の場合(ウメさんの場合)
ウメさんは、大人になってからうちに来た猫です。
かなり愛想が良く、うちに来る前は色々な家でごはんを貰っていたな、と思わせます。
このウメさんが、とにかく生もの好き。
刺身もよく欲しがっていました。
蟹を食べた後の殻をシンクに置いておいたら、シンクに入って殻を舐めていたことも。。。
(今はしませんが)
ウエットフードも大好きで、うちに来たばかりの時は、どんなウエットフードでも食べていました。
そのうち、大手プレミアム系のウエットフードなど、合成の肉片(?)のような物が入っているウエットは食べなくなり、「シシア」や「モンプチプチリュクス」などの、ほぼ人間のツナ缶のようなウエットフードの、スープやゼリー部分のなど、エキスが凝縮した部分しか食べなくなりました。
何故かは分かりません。。。
贅沢になっただけかも。
ちなみに「ちゅ〜る」も嫌いみたい。
そういった袋から直接舐めさせるおやつでは、「モンプチ ナチュラル キッス」だけが好きですね。
しかも、「モンプチ ナチュラル キッス」の「毛玉対応」や「総合栄養食タイプ」は食べないのです。
人間が、良かれと思って添加している栄養素を、敏感に感じ取って避けている様子。。。(涙)
本当に、猫は味に敏感です。
ドライフードも、最初は何でもガツガツ食べていましたが、プレミアム系はやはりロイヤルカナンに落ち着きました。
プレミアムでなかったら、「銀のスプーン」が好きみたいです。
でも、ドライフードは本当はどうでもいいみたいで、本人的にはスープやゼリーっぽいものをひたすら食べたいんじゃないかと思います。
最近は刺身にも特に興味がなくなったようです。何故か。
お水も自分から良く飲み、オシッコもたくさんします。
先生曰く、あまりにも薄いオシッコを大量にするようだと良くない、との事でしたが、ウメさんはまだ血液検査で腎臓の数値も正常の範囲内なので、大丈夫そうです。
★ウメさんの好きな食べ物
「モンプチ ナチュラル キッス」
「シシア」のエビとツナ缶のゼリーの部分
魚系「モンプチプチリュクス」のスープのみ
ドライフードの良い点・悪い点
【良い点】
ドライフードの良い点は、やはり噛むことで歯垢が落ちやすく、歯槽膿漏の予防になる事です。
そして、日中お留守番をしなくてはいけない場合に、ドライフードを自動給餌器にセットしておける事です。
ウエットフードもセットできますが、夏などは痛みやすいため、避けたいですね。
また、食べ残しを長時間放置した際に、腐敗の心配もあります。
さらにドライフードは種類が豊富で、たくさんの総合栄養食があります。
飽きっぽい猫にとっては、色々なごはんを選ぶことができます。
価格も飼い主にとっても、経済的です。
【悪い点】
悪い点としては、圧倒的に「水分不足になる」という事です。
水分は猫にとってとても重要です。
もともと砂漠で生きていた動物のため、少ない水分で生活し、オシッコをぎゅっと濃縮して出すという習性があります。
そうやって、いつも濃縮したオシッコを出すことを繰り返すと、腎臓にとても負担がかかります。
腎臓は、血液中から老廃物や毒素を濾過し、余分な水分と供に尿として排泄させますが、余分でない水分は体に再吸収されるそうです。
腎臓病になると、必要な水分もどんどん体外に尿として排出してしまうので、脱水状態になってしまいます。
そのため、たくさん水を飲み、たくさんのオシッコをします。
それでも足りなくて脱水になります。
腎臓病の猫に点滴(輸液)が必要なのは、その足りなくなった水分を強制的に補う必要があるからです。
腎臓病予防のため、極度にオシッコを濃縮させないためにも、日頃からたくさん水を飲ませる努力が必要になります。
我が家では
・ペット用循環式給水器「ピュアクリスタル」
・水が美味しくなるという「ヘルスウォーターボウル」
などを使ってなるべく水を飲むように促していたのですが、それでもドライフードのみのキクさんには足りなかったようです。
実は、慢性腎不全になるまで水分がとても大切なことに気が付いていなかったのです。。。
とても後悔しています。
最近は、ドライフードでも穀物不使用で猫本来の肉食であることを尊重したものが出ていますが、よく考えたら、野生の猫はきっと生肉を食べていますよね。。。
それって、ウエットフードでは!?
真に野生に近い猫本来の食事こそ、ウエットフードなのかもれません。
ウエットの良い点・悪い点
【良い点】
ごはんを食べることで水分も補給できるのが最大のメリット。
お水を飲ませることに苦心するより、最初からウエットフードを食べられるようにしておくのが良さそうです。
そして、いろんなタイプのおやつがあるので猫の食生活も広がります。
ずっと家にいる猫にとっては、食べることも楽しみの一つだと思うので、これも重要です。
年を取って食が細くなったり、固い物が食べにくくなった時にも、ウエットフードが食べられると、少しだけでも栄養補給になります。
【悪い点】
ドライフードとは真逆で、歯に汚れが付きやすいことです。
そして、ウエットフードの総合栄養食は種類が少なく、ほとんどのものは「おやつ用」です。
ウエットフードしか食べられないと、栄養面では少し不安かもしれません。
ドライフードとの併用が必須ですね。
お留守番の際も、予めお皿に出しておくことができないので、長時間の外出の際は面倒を見てくれる人が必要になりそうです。
慢性腎不全になって、今だから思うこと
ウエットフードによる水分補給と歯磨きの重要性を、ひしひしと感じています。
水分を補給するのも重要ですが、ナチュラルキッスなどを美味しそうに舐めているウメさんを見ていると、キクさんにも色んなおやつを食べさせてあげたかったな、とも思ってしまいます。
食の幅を狭めてしまったな、と。
逆に言うと、小さい頃から飼うということは、食の指向もコントロール可能と言うことです。
今、子猫を飼っている方は、ぜひ、
ウエットフードとドライフードの両方を食べさせて、できれば歯磨きをマスターしてください!
歯磨きに関しては、多分無理な猫はいると思います。
子供の頃からの訓練が必要なのかもしれません。
でも、実体験から確実に言えることは、
ドライフードしか食べていなくても、歯石は付く。
ということです。
そのため、歯垢が溜まって歯石化するのを防ぐには、歯磨きしかありません。
キクさんには現在、3日に1度の点滴、毎日2回の薬と、かなりストレスを感じさせてしまっているので、その上歯磨きするのも気が引けています。
飼い主の怠慢なのかもしれませんが。。。
しかし、慢性腎不全になっていなければ、麻酔が必要な歯石除去も可能でした。
今となっては、麻酔は腎臓に負担がかかるので、よほど歯槽膿漏が酷くて抜歯が必要という以外は避けたいです。
実は、慢性腎不全が発覚する少し前に、そろそろ歯石除去してもらおうかな、と思っていたのですが、もはやそれも叶いません。
ちなみにウメさんは、3年ほど前に臍ヘルニアの手術をする際に一緒に歯石除去してもらったので、今は割と綺麗な状態を保っています。
自宅で点滴できているので、次の目標は歯磨き!の我が家です。